何時も週末が雨で、なかなか沢へ行けない事が多かったが、やっと晴れて
若桜の銘渓「来見野川」へ行ってきました。
私にとっては、扇ノ山山域の沢でまだ一度も足を踏み入れたことがない「来見野川」。
二年前に一度計画したが悪天候で断念、私にとっては是非とも登ってみたい沢でもある。
昨年度この流域の沢を何度も登られたアリさんのFaceBookの投稿を見ていたので、無理を承知でお願いしやっと実現した沢登りである。
神戸FACの例会山行として募集してもらったが私以外誰も応募が無い。アリさんと昨年一緒に沢登りをされた若者一人を引き込み、3名での実施かと思いきや、飛騨地方の天気が悪く錫杖岳登攀が中止になり急遽会長とタケさんの参加を得ることが出来た。秋の薬師沢山行の足慣らしにとオカさんも加わり総勢6名、久しぶりの本格的な沢登りを楽しむことが出来た。
扇の山一帯は、火山の噴火により形成された広大な溶岩台地で、豪雪地帯の影響で谷は深く浸食され、霧が滝に代表される様に切り立った岩壁に架かる滝は登れる代物ではなく、巻き上がろうにも屏風のように立ちはだかる岩壁は相当な登攀技術が必要とされる。
尚更悪いことに、入渓中に雨や夕立に遭遇でもしたら急な増水に逃げ場を失う恐れもあり気象の変化には特に注意を要する所です。
今回の沢登りは、沢登りの案内に紹介されている来見野川左又に架かる大鹿滝(おおがたき)へのコースではなく、大鹿滝の少し下流の右又谷の右又(ヌイコ谷)を遡行する。
出発点の大鹿滝・雲龍滝の観瀑道の入り口にある駐車場に駐車、地元が整備した看板の脇から綺麗な遊歩道(山毛欅などの広葉樹の斜面)を降るとすんなりと大鹿滝(落差22m)に着きます。
ハングした落ち口から滝壺へ一気に落下する迫力満点の見事な滝です。

写真 迫力満点の「大鹿滝」
沢を渡り対岸の遊歩道を少し降ると出合の二俣の上に出る。
遊歩道は更に右又に沿って続いている様ですが、我々はこの下の出合まで懸垂下降です。
50mザイル一杯で着地。この出合の滝(25m)も水量が多く豪快に落下しています。

写真 出合の滝へ懸垂で
ここの巻き道は右又滝の少し右の壁を登り、バンド状から落口へトラバースで抜けます。
右又谷は、滝と滝の間は平流で楽しい河原歩きでした。暫く歩くと行く手に現れたのが案内板にも記載されている「雲龍の滝(25m)」で、ここまでは遊歩道が有るはずでしたが沢の中を歩いたので確認出来ませんでした。
しばし休憩して、滝を巻きます。左岸の斜面を岩壁に沿って登っていくと落ち口へ続く尾根を越え上流へ。
そして次の滝まで歩きます。右の岩壁に沿って沢は流れ、その先に大きな滝が豪快に水しぶきを上げています。
正面まで行きましたが下部の壁は全てハングして滝には取り付けない。
少し手前の岩壁に一本のリングボルトが打ってあり、これが巻き道の取り付きです。3m程がハングしています。
15m程壁を登りその上の斜面を越えないとここで敗退ですが、今回は沢の超ベテランが揃っているFACなのでスンナリ越えて行きますが、私にとっては難関のハングした壁をはたして越えられるのか心配です。

写真 取り付きのハングした岩壁を登ります。
計画書の中にアブミとアッセンダー必携と書いてあったのだが、タイブロックでは難しそうです。さすがにここは、出発前に会長からお借りしたユマールを使わないと登れない様です。
ザックを吊り上げて空荷で登らせてとお願いしたが敢えなく却下、登らざるを得ない状況です。
体重の重たい私を引き上げるのは滑車でも無い限り無理だそうで、覚悟を決めて登り始める。
タイブロックは自分が登れないと役目を果たさないが、ユマールは腕の長さだけ確実に上がれるしザイルに優しいのだ。 腕力任せでお尻を支えてもらったりしながらハングを越えれば足場を選んで何時も通りに登っていけた。
今回の沢ではここが核心部だった様で、アリさん、会長、いつもながら感謝感謝です。
この上は兵庫県の沢にしては珍しく岩盤の上を流れるナメの綺麗な沢です。
斜滝のシャワーも楽しそう、石割の滝も最後の岩壷の滝も楽しく登らせて頂きました。

写真 ナメの綺麗な斜瀑を登る
岩壷の滝(5m)×2段の滝は低いながらもシビヤなクライミングが必要でしたが、会長にお助けを出してもらい楽賃でした。
このままズーと沢を詰めるのかと思っていましたら、CLから「この先は平流で荒れているので、尾根に上がって帰りましょう」と言うことで、やっと薮山雲水の出番です。
本格的な薮漕ぎの期待を裏切る尾根歩きで、途中から廃林道を利用してスンナリと自然歩道に合流、少し夕立に見舞われたが無事車まで帰還出来ました。

写真 大鹿滝上流を自然歩道が橋で渡っています。
最後にタケさんちのスイカを頂き大満足で、充実した沢登りは無事終了しました。
CLのアリさん、素晴らしい沢登りありがとう。気は進ま無いでしょうが機会が有れば又お願いします。
今回初めて同行してくれました息子の様なミタニさん、真っ新のザイルありがとう。これに懲りずに参加してくださいね。
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- 2014/09/02(火) 18:18:55|
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